今日は75の特徴でもある屋根上の特高圧機器について。 JRの交流電化は20000Vという特高圧で送電されています。 そのため、直流車両と違いさまざまな機器が屋根上に搭載されています。 ED75の電気の流れをおおまかに説明すると、 架線→パンタグラフ→ABB(空気遮断機)→主変圧器→タップ切替器(磁気増幅器)→主整流器→主平滑リアクトル→主電動機の順に流れていきます(間違っていたら指摘願います) 屋根上にある機器を紹介していくと ①パンタグラフ断路器 1エンド/2エンドにあるパンタグラフのどちらから電気を取り入れるか切り替える。切換には補助ハンドルを使用するため、起動中は操作できないようになっている。 ②計器用変圧器・・・運転台にある架線電圧計に使用する。特高圧を運転室内へ導線するのは危険なため、この変圧器を用いて適当な電圧に落とす。 ③主ヒューズ 黒磯駅にて直流/交流が分かれているが、万が一直流区間に冒進してしまった場合に、内部機器を保護するため主ヒューズが設けられている。 ④ABB(空気遮断機) 機関車の電気的な動作を停止するためには電源を断つ必要がある。直流車両ではパンタグラフを架線から離線させれば問題ないが、交流車両の場合20000Vという特高圧の電源を遮断するには、パンタグラフを下げただけではアーク放電(空気を伝って電気が流れる。一種の雷と同じ現象)してしまい、安全に電源を絶つことができない。 そのため、ED75ではABBを用いて、ブレードが導線から切り離される瞬間に圧縮空気を吹きかけ、アーク放電を吹き飛ばしている。機関車を休ませる際、パンタグラフを下げる前にバシュッと大きな音が出るのは、ABBが作動しているからである。 ⑤交流避雷器 万が一機関車や架線に落雷した場合、一定以上の電圧をこの避雷器から地表へ電流を流す(アース)させて内部機器を保護する。どれくらいの電流が流れたかについては、避雷器に備え付けてある磁鉱片(じこうへん)という物体を専用のテスターにかければ計測できる。 ちなみに700番台ではABBの代わりにVCB(真空遮断機)が採用され、真空内ではアークが発生しにくいため、機器のコンパクト・軽量化とABBのように定期的に接点を清掃する必要がなくなるなど、メンテナンスフリーにも一役買っています。
by ed75_gossy
| 2010-04-22 19:32
| 75マニアックス
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